(C)2019映画「七つの会議」製作委員会
こんばんは、しいたけ夫です。
木曜日の夜から実家へ戻っていたのですが、色々ありブログが更新出来ておりませんでした。
昨日は嫁と池井戸潤さんの「七つの会議」を見てきました。「半沢直樹」や「下町ロケット」もすごいはまってたしいたけ夫は早く見たいと思っていたのに、中々見れていませんでした。東京は人が多くて混雑すると思っていたからです。
色々調べると、お台場のアクアシティはなぜかそんなに混雑していませんでしたので昨日はそこに見に行くことにしました。
「七つの会議」を見た感想は後々記載しますが、この映画、今の日本の企業の問題点や日本人の問題点など、社会を風刺するような内容も含んでいると感じました。
タイトル通りですが、「七つの会議」に学ぶ、日本企業・風土や日本人の問題点を挙げていきたいと思います。
「七つの会議」とは?
まず問題を挙げる前に、七つの会議とは?というところから説明をしていきたいと思います。
「七つの会議」のあらすじ
都内にある中堅メーカー・東京建電。営業一課の万年係長・八角民夫(野村萬斎)、通称“居眠りハッカク”はどこの会社にも一人はいる所謂ぐうたら社員。ノルマも最低限しか果さず、定例の営業会議では傍観しているだけの八角は、トップセールスマンである課長・坂戸(片岡愛之助)からその怠惰ぶりを叱責されるが、一人飄々と毎日を送っていた。一方、甘えたサラリーマン根性の部下は完膚なきまでに叩き潰してきた社内で絶対的存在の営業部長・北川誠(香川照之)が進める結果第一主義の方針のもと、部員たちは寝る間を惜しんで働くのだった。そんなある日、突然、坂戸がパワハラで訴えられ異動となる。訴えたのは、年上の部下である八角だった。北川の信頼も厚いエース・坂戸に対するパワハラ委員会の不可解な裁定に揺れる社員たち。そんな折、万年二番手に甘んじてきた営業二課長の原島(及川光博)が新課長として着任。だが、会社の顔である一課で成績を上げられず、原島は場違いすら感じていた。やがて、パワハラ騒動に隠されたある謎が、社員たちの人生、そして会社の存在をも揺るがし始めていく……。
七つの会議のキャスト
STAFF 【原作】池井戸潤『七つの会議』(集英社文庫刊)/【監督】福澤克雄 /【脚本】丑尾健太郎 李正美 /【音楽】服部隆之
CAST 野村萬斎 香川照之 及川光博 片岡愛之助 音尾琢真 藤森慎吾 朝倉あき 岡田浩暉 木下ほうか 吉田 羊 土屋太鳳 小泉孝太郎 溝端淳平 春風亭昇太 立川談春 勝村政信 世良公則 鹿賀丈史 橋爪 功 北大路欣也
CASTを見ても分かる通り、とても有名な方たちが多いですよね。それにしいたけ夫がこの「七つの会議」の予告を見て思ったことが、「下町ロケット」や「半沢直樹」に出ていた人が多いですよね。
但し主人公だけは毎回変わってるようですね。
「七つの会議」で挙げられた日本の問題とは?
大きくネタバレをする予定はないので、まだ見ていない方で問題なく見ることができる内容の上で、問題提起をしていこうと思います。
本当に今の社会人に取って、誰もがわかるようなサラリーマンの闇の部分を上手く表現してくれました。これも作者の池井戸潤が大手銀行出身、その他企業のコンサルタントをしていた経験からくるのでしょうね。
昔は常識だったかもしれないが、今では非常識なこと。たくさんあるので一つずつ見ていきましょうか。
①残業・休日出勤、有給申請について
主人公の八角(野村萬斎)が所属する第一営業課の課長、坂戸(片岡愛之助)に対して有給を申請する場面があります。「コンペに向けて忙しい時期だから土日返上して社員みんな頑張っているのにこんな時に有給なんて」って言葉もありました。
その次に八角が坂戸から目をつけられある仕事を当日中に終わらせるよう命令を下しますが、八角は定時だからと帰るシーンがあります。
下町ロケットでもこの残業については話がありましたが、基本的には残業は今後厳しくなる方向にあります。業務というのは基本的には定時時間内に終わることを業務というのであって残業は基本的に無いことが望まれます。
ただ、それは現在のところ理想論でそう出来ている企業は少ないのではないでしょうか。但し現在【36協定】という労使協定が注目されていますね。もし興味のある方は下記サイトをご参照ください。
世間的にも電通の方の残業続きの毎日で、自殺へ追いやられた事件が記憶に新しいのではないでしょうか。こういった仕事が人生の全て、何もかも捨てて捧げるべき対象という認識は日本に根強いですね。今注目されていますね。
②数字・信頼・出世のための隠蔽
八角の勤める東京電建では、ある部品の耐久不足が発覚します。その耐久不足に関しては元々会社はその隠蔽を知っており、隠していました。それは元を辿ると競合他社に勝つため、出世のために成果を上げるための行動になっていました。
隠蔽と聞くと加計学園問題や森友学園の問題など、現在の安倍政権の隠蔽体質が言及されていますよね。
それは安倍政権だけでなく、企業もそうです。国内だと日産や三菱などの燃費不正などもありましたね。ここ最近では東京電力の原発問題や、神戸製鋼の強度不足偽装問題。
上記問題は世間に出てきたほんの一部だと思います。多かれ少なかれ、程度は大きい小さいあるとは思いますが、この隠蔽体質というのは日本に根強く残る悪き体質だと思います。
日本のサラリーマンは時に、世間の一般が常識ではなく、勤めている企業が自分の常識だと勘違いをしてしまいます。
昔から根強く残る終身雇用制度、この考えが、世のサラリーマンの企業常識が一般常識だと勘違いせざるを得ない引き金になっていると思います。
企業に勤めている自分の立場などからそこを辞められない人が増え、辞めるぐらいなら自殺…といった思考になってしまいます。
よく「自殺するぐらいなら辞めればいいのに」と軽々しく発言する輩もいると思いますが、きっと当人からすればその時、並の精神状態ではなかったのだと思います。
高度成長期、戦争に負けた後に日本の復興をした世代は、こういった数字を追いかけた結果、現在世界でも有数の経済の国に発展したのかと思います。ただ行き過ぎている部分が多かれ少なかれあるのかもしれませんね。
③会社が全てという考え
上司から数字を追い求めるがために過去に性能偽装をした北川(香川照之)と、それを断った八角は真逆の人生を歩むこととなった。
営業でのし上がるためには人を人として見ていない部分がないと成立しないと思いました。その結果のし上がった北川は再度偽装に肩を貸し、八角は過去に数字を追い求めるがために失敗した過去を元にそれを暴こうとしています。
企業の体質として人を兵隊のように扱う考えが少なからず残っていると思います。日本人はある意味、過去の戦争時代や江戸時代などのサムライ魂がDNAに刻まれているのだと思います。
今誰に聞いてもほとんどの人は「戦争で国のために死ぬのは馬鹿だ」と思っていると思います。一部違う考えの人もいるかと思いますが、、。
そんなことを思っていても、会社のために全てを捧げている人間は、やっていることは違えど、ほとんど同じようなことをしていると思います。
会社のために自分の身を滅ぼしていたら意味がありません。特に今問題となっているのは精神病。今鬱だなんだと言えば、昔の人は「根性が足らん」と口にします。
昔は就職先があまりない時もあり企業が優位な立場にありましたが、今はそれなりに選びやすい環境になってきました。なのでそこまでの切迫感がないのでしょうね。
【時代は変わる】という当たり前の認識を持てていないのが、今のしいたけ夫の親の世代やバブル世代の人なのでしょうか。
そんな会社のために何でもしてくれる兵隊という認識では、人手不足になるのは当たり前です。時代が違うのですから。今の時代に合わせて、働きやすい環境を整えることが求められているのではないのでしょうか。
ちなみにここまで作者が考えて書いたかは謎です。映画は今年公開でしたが小説は2011年に出版していますので。
④下請けいじめ
これは下町ロケットが大きく取り上げていましたが、昔から下請けいじめはあったかと思います。
大元のメーカーは部品の仕入れコストを低くするため、安くしないと取引を停止するという交渉を下請けに突きつけます。
大元の仕事に依存しているような会社も多いため取引停止すると会社が潰れるぐらいの損害になってしまい兼ねないです。
前にAmazonが仕入れコストを叩いているとことでニュースになっていましたね。1年前ぐらいのネタだったので記憶が曖昧ですが…。
これも企業のコンサルタントをしていた作者の経験則からくる内容なのでしょうかね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この映画は現役営業マンのしいたけ夫には深く突き刺さる部分がありました。現在のしいたけ夫の状況も、仕事の転勤のため住みにくい東京に嫁を連れてきている。欲を言えば実家近くに戻りたい、親もいるし友人もいるしね。
そんな家庭を犠牲にしてまで仕事に捧げる自分って何なんだろうって思ってしまいました。帰ってきても疲れてあまり家庭を大事に出来ていない気もするし。
子どもを産もうにも東京に知り合いがいないので、恐らく東京にいる間は子供が出来ません。出来た後が心配なので。
仕事を優先して家庭を省みない考えの上司の元で育ったしいたけ夫は恐らく同じ考えを植え付けられるかもしれませんね…。
何か本当色々考えさせられました。このままでいいのかって。ただそんなことを抜きにしてもとても面白い映画でした。
出世をするために隠蔽をした北川(香川照之)とそれを過去にしていたが止めて出世街道から外れた八角(野村萬斎)のドロドロのサラリーマン劇場です。
まだ始まったばかりですので、機会がありましたら是非ご覧ください。

それではまた!